ジョイントV字樹形と呼ばれる栽培方法なんですが、90度のお辞儀をして両腕を天に向かって突き出しているように見え、ウォーズマンのパロスペシャルを思い出させてくれた育成方法ですね。
これまで、現代農業という月刊誌で見聞きしたことがあるんですけど、桃以外の果樹だったこともあり、流し読みしていたんですね。この度 縁あって、福島県の果樹研究所にお邪魔することができまして、桃と梨のジョイントV字樹形を見てきました。
一般的には7~8m間隔で植える桃の木を、およそ2m間隔で植えています。主幹は地上50cmあたりで水平に誘引され、その先端は隣の木に結合されます。
大きな目的は2つあって、定植後の早期収益化と各種作業の省力化のようです。もともとは梨の栽培で開発された農法らしいのですが、柿やぶどうなどにも広がりをみせているようで。
まぁこの先、多くの果樹で同様の樹形を確立することができれば、収穫や防除作業を自動化するための機械開発も容易になるっていうメリットもあるとのこと。
さて桃は、先端に行くほど枝が極端に細くなることもあり、結合して栄養を共有するメリットが少ないようです。また、年を追うごとに実をつける枝の確保が難しくなってきているようで、経済寿命にも難あり。クリアしなければならない課題がまだまだあって、実用にはもうちょっとかかりそうです。
ただ、ただですよ、日本にはお給料をもらって品種改良したり育成方法を考えたりする人がいることは確かなんですが、このジョイントV字樹形を発明した人って、どうしてこんなことをしようと思ったのか、ほんと不思議な気持ちになる一日でした。
マングローブの支柱根、ヒントを得たとかインスパイヤされたとかオマージュしたとか、そんなところなんでしょうか。
そういや隣にいた、土づくりと肥料にもんげー詳しそうなおじいちゃんに宿題をもらいました。桃の花が咲いたら、花の直径およびおしべの数と長さを品種ごとに計測して、次回報告することです。何かがわかるようになるらしいのですが、そもそも次回があるのかないのかわかりません。